生命保険の仕組みを聞いてきました
先日、縁あって知り合いの保険業をしている方に生命保険について教えてもらう機会がありました。
私は生命保険に入っていません。
主な理由としては無知であることと、現在健康で独身であるためです。
また周囲の方々に保険について話を聞いても、内容を把握していなかったり、「一応加入している」といった意見が多かったため加入に関して漠然とした不安があったためです。
しかし、いずれ勉強せねば。とは思っていたので、今回は聞いてきたことを情報整理のために記事にしたいと思います。
生命保険について
生命保険とは契約者の損害または死亡などによる不利益を保障する保険です。
また保障の種類や目的によって種類が分かれています。
生命保険の種類
生命保険は大きく分けて以下の3種類に分類されます。
①定期保険
掛け捨て保険とも呼ばれ、けがや病気による入院保障がついた医療保険もこれに該当する。何年か毎に更新が必要となることが多い。
②養老保険
積立保険や学資保険などと呼ばれることがあり、医療保障に加え、将来への投資性をもたせたもの
③終身保険
名前の通り、保険料払い込み後も死亡保障が付随しているもので一生涯保障ともよばれる
これらを保障の観点から大きく分けると、
・契約期間中のみ、
・契約期間後も保障が継続
するものに分けることができます。
また加入者の数で比較すると
③終身 > ②養老 > ①定期
となるそうです。
解約後の保障と貯蓄性について
先ほどの3つの保険を解約後保障と貯蓄について分類します。
以下の表に各保険の月々の掛け金、契約期間、解約後保障、貯蓄についての一例を示します。
*②では、例として満期時に受け取る金額を1000万としています。
表より、解約後も保障が継続されるのは③のみとなります。
ここでの解約後保障というのは「契約者の死亡時にお金がもらえる」ことを言います。
また貯蓄についてみると②のみが有効となります。
ではこれを見た時にどの保険を契約するのがよいのでしょうか?
まずは先ほどの月々の支払額から計算した、支払金額についてみてみます。
縦軸は金額(円)、横軸に年齢(歳)を表しています。
30~60歳までの契約をする時、各保険の支払総額は、
①定期 :79万円
②養老 :900万円
③終身 :720万円 となります。
先ほどの解約後保障と貯蓄からみるとどうでしょうか?
①の場合、契約期間内の通院や入院などは保障してくれますが、それ以降はなにも残りません。
②の場合、60歳まで生きることで、+100万多くのお金を受け取ることができます。
③の場合、縁起でもない話ですが、早く死亡するほど多くのお金を受け取ることができます。また内容は様々ですが、60歳以降の存命時に解約を行うことでお金を受け取ることができます。
解約時点の解約金の一例として、
・60歳時点 :700万
・80歳時点 :750万
・105歳時点 :1000万 となるようです。
このように具体的な数字が出ると、生活スタイルや年齢を加味して契約する保険を絞ることができるのではないでしょうか?
定期保険の金額は一定なの?
しかしここで気になったのは①定期保険の金額です。
一般的に年齢とともに病気やけがのリスクは高まるので、契約金が一定では保険会社の利益との関係につじつまが合わないように感じます。
このことを質問すると、定期保険の場合は契約期間中に更新があり金額が上がっていくそうです。また更新期間は10年毎や5年毎など、保険内容により異なるそうです。
そしてここで衝撃の話を聞きました。
保険大国「日本」の現状
日本人の保険への加入率は非常に多く、約90%の人がなんらかの保険に加入しているそうです。
また生命保険への加入も同様に高いです。
その生命保険において約60~70%が加入している保険のタイプがあります。
それが①定期と③終身の混合型です。
入院や通院も手厚く、死亡時にもお金がもらえ、死亡保障は一生涯続きますよー
と銘打ってあるようなものですね。
この内容を以下のような例を出して見てみます。
①、③の混合型
30~60歳までの加入
死亡保障 :3000万円(60歳まで)
:100万円 (60歳以降)
定期保険は10年ごとに更新
月々の支払額とグラフです。(内訳)
30~39歳 :1万円 (①9000円 ②1000円)
40~49歳 :1.9万円 (①18000円 ②1000円)
50~59歳 :3.7万円 (①36000円 ②1000円)
これより各年齢での支払総額は、
40歳時点 :約120万円 (①108万円 ②12万円)
50歳時点 :約435万円 (①411万円 ②24万円)
60歳時点 :約879万円 (①843万円 ②36万円) となります。
この数字は衝撃でした。
なぜなら、60歳までであれば3000万円の死亡保障がありますが、60歳以降に亡くなっても100万円しかもらえません。
そればかりか、60歳まで払い続けた①定期保険の843万円分は返ってきません。
この仕組みは日本の「公的年金制度」に付随する形で生じたようです。
年功序列によって賃金が上昇し、60歳以降は老齢年金によって生活していくスタイルであったためであるようです。
ここからは推測ですが、「かつての給与、公的年金制度が機能していた時代」と「将来への安心感」が背景にあるような気がします。
「かつての給与、公的年金制度が機能していた時代」の私のように保険に詳しくない人が保険会社の勧めるまま契約を行い、生命保険更新により多少金額が上がっても「将来への安心感」があったため、内容を確認することがおろそかになってたのではないかと思います。
また現代のようさまざまな情報に気軽にアクセスできる時代ではなく、生命保険についてのハードルが高かったのではないでしょうか?
もしこの内容を知っていたのであれば、大半の方は契約に悩むはずです。
お金の投資先は銀行?保険?証券?
ここまで保険の話をしてきました。
その中で貯蓄性があるのは養老保険ということが分かりました。
しかし、そのために保険契約するのは効果的なのでしょうか?
お金の保有先を考えた際に、それぞれのメリット、デメリットを挙げてみました。
ここからは個人の考えが如実に表れるところだと思います。
私の場合、銀行に預けるのは得策とは思いません。
金利が低いのと、日本円の価値自体が低下していると考えているからです。
そのため証券を用いて取引をすることで、将来へ投資を行うことを実践しています。
しかしこれを行うには勉強を行うことはもちろん、管理もしなければなりません。
つまり、面倒なのです。
そのため保険という商品を購入することで管理、運用してもらうことで資産を増加させる。といった方法も投資の形としてはアリなのかもしてませんね。
その分、手数料を多めに払う必要はあるかと思いますが…
まとめ
今回、知り合いを通じて貴重な話を聞くことができました。
正直な感想としては、保険の加入者90%のうち、加入している保険について有効性を見出している方はどれくらいいるのかなという印象です。
また投資の観点から見た際にリターンの低さを感じますし、保険と投資を一緒に考える事に疑問を感じました。
保険に関してはまだまだ勉強しなければならないことがありますが、私が保険を契約する際には「契約している保険とその内容」について明確な回答をできるようになりたいと考えています。